登壇者一覧
カンファレンス
オープニングパフォーマンス
- 日時:11月1日(金)10:30-11:00
- 会場:ホールB5
- 出演者
- 紀平 凱成
-
- ピアニスト
- 作曲家
- 2001年生まれ。幼児期より風の音や鳥の声を音符で表現し、ロック、ジャズ、クラシック、民族音楽など、様々な音楽に夢中になる内、音楽理論、作曲を独学で習得。鍵盤に触れずに溢れるように音符を並べる独特のスタイルで数千の曲を書きためる。発達障害、感覚過敏を抱えながらも、独創的な音色、超絶技巧で国内外の賞を受賞。MISIA、さだまさしとの楽曲制作や数々のメディア出演で評判を呼ぶ。 東京2020パラリンピックの開会式楽曲演奏や映画音楽の作曲など活躍の場を広げている。©Yuji Ueno
クロージングパフォーマンス
- 日時:11月3日(日・祝)17:30-18:00
- 会場:ホールB5
- 出演者
- 古川 聖
-
- 作曲家
- 東京藝術大学先端芸術表現科 教授
- ベルリン芸術大学、ハンブルク音楽演劇大学にてイサン・ユン、ジェルジ・リゲティのもとで作曲を学ぶ。スタンフォード大学で客員作曲家、ハンブルク音楽演劇大学で助手、講師を経てドイツのカールスルーエのZKM でアーティスト研究員。作品は新しいメディアや科学と音楽の接点において成立するものが多い。現在、東京藝術大学先端芸術表現科教授。学外組織と共同研究、プロジェクトを継続的に行い、2018年には東京藝大発ベンチャーcoton社を起業している。
招待講演
世代と文化の多様性のはざまで:それは挑戦か?
- 日時:11月1日(金)13:00-14:00
- 会場:ホールB5
- 登壇者
- デイビッド・デ・キーザー
-
- クランドゥイユ ディレクター
- ろう者の文化や権利を積極的に擁護し、ろう文化への理解と認識を広めるため精力的に活動。その独自の視点や革新的なアプローチが世界で認められている。彼は映像の世界で育ち、2005年以降、フランス5チャンネルの番組「L’Oeil et la Main」でドキュメンタリー映画を制作。2000年には主にDVDドキュメンタリー映画と劇場録音を配布するNGO会社CinéSourdsを設立。2003年、ろうアーティストの創作と表現の場をつくることを目的とした芸術祭「Clin d’Oeil(クランドゥイユ)」を創設。現在コンサルタントとして、世界中でろう文化と手話の発展を促進している。
基調講演
共にいるための場を創る―対話とアウトリーチから学んだこと
- 日時:11月1日(金)14:15-15:15
- 会場:ホールB5
- 登壇者
- 梶谷 真司
-
- 東京大学大学院総合文化研究科 教授
- 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) センター長
- 京都大学大学院人間・環境学研究科修了。専門は哲学、医療史、比較文化。近年は学校や企業、地域コミュニティなどで「共に考える場」をつくる活動を行い、さまざまな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学」という新しいジャンルを追求している。近著に『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎)、『問うとはどういうことか 人間的に生きるための思考のレッスン』(大和書房)がある。
セッション
セッション1
はたらく人とウェルビーイング
- 日時:11月1日(金)15:30-17:30
- 会場:ホールB5
一人ひとりが異なる存在であるという「他者性」の前提認識が希薄な日本社会において、同一性を求められることに生きづらさを抱える人々が散見される。そのような社会に対しアートが担うべき役割は、誰しもがウェルビーイングを見出せる居場所、活動を用意することではないか。ウェルビーイングとアートの関係性について実践と研究の両面で先進的な実績を持つ豪州のゲストと共に、ウェルビーイングのための芸術文化の役割を国内の各セクターのメンバーと議論する。
- 登壇者
- 栗栖 良依
-
- SLOW LABEL芸術監督
- 東京2020パラリンピック開閉会式ステージアドバイザー
- アート・デザイン・エンターテイメントの世界を横断しながら、異文化の人やコミュニティをつなげ、対話や協働のプロセスで社会変革を試みる市民参加型のプロジェクトを多く手がける。認定NPO法人スローレーベル芸術監督、ヨコハマ・パラトリエンナーレ(2014-2020)総合ディレクター、リオ~東京2020パラリンピック開閉会式ステージアドバイザー、東京芸術劇場 社会共生委員、TBS「ひるおび」木曜コメンテーターなど。2016年第65回横浜文化賞「文化・芸術奨励賞」受賞。
- 登壇者
- 内田 まほろ
-
- JR東日本文化創造財団 TAKANAWA GATEWAY CITY 文化創造棟準備室長
- 大阪・関西万博 テーマ事業シグネチャーパビリオン 「いのちの未来」企画統括
- 2002-2020日本科学未来館で、科学とアートやデザインを融合した数多くの企画展、常設展の開発に従事する傍ら、ロンドンのBarbican Centreやグッドデザイン賞等、国内外でゲストキュレーターや委員を務める。
JR東日本が開発する「TAKANAWA GATEWAY CITY」で、「100年先に文化をつなぐ」をミッションに掲げ、知と美、伝統と未来をつなぐ複合文化施設の開館準備に携わる。
- 登壇者
- ジョージー・マクリーン
-
- クリエイティブ・オーストラリア 開発およびパートナーシップ担当エグゼクティブディレクター
- クリエイティブ・オーストラリアにおいて、研究、評価、影響測定、専門能力開発、民間投資を統括し、文化およびクリエイティブ産業の公共価値を拡大する機会を模索している。20年間、メディアや芸術分野でクリエイティブ産業のダイナミクス、プログラム、政策に関する研究と形作りを行い、オーストラリア映画テレビラジオ学校(AFTRS)のCEO代理、スクリーン・オーストラリアで戦略部門を率い、SBSで政策・研究マネージャーを務めた。
- 登壇者
- 松田 朋春
-
- プランナー
- 詩人
- 企業とクリエイターのコラボレーション事業「ランデヴープロジェクト」や視覚障害者が開発に携わった「ダイアログ・イン・ザ・ダークタオル」、道後温泉での芸術祭「道後オンセナート」、日本の優れた工場の連合ブランド「典型プロジェクト」など幅広い企画ディレクションを手がける。グッドデザイン賞審査委員、多摩美術大学、東京理科大学非常勤講師、スパイラルシニアプランナー、東急設計コンサルタントプランニングディレクター。ポエトリーコレクティブ「oblaat(オブラート)」世話人。
セッション2
日常とアートと教育
- 日時:11月2日(土)10:00-12:00
- 会場:ホールB5
芸術文化の社会的役割、特に人々の日常生活に近いところに作用する活動の必要性を議論する。教育現場としての芸術大学や実践の場としての美術館などのアートセクターが、福祉、医療、テクノロジーといった異なる分野と連携し地域で共創する。そのような共創の場を生み出すために、芸術文化に求められるこれからの役割や活動は何かを探る。
- 登壇者
- 日比野 克彦
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- 東京藝術大学長
- 東京藝術大学在学中から作家活動を開始し、社会メディアとアートを融合させた表現で注目される。その後、芸術祭や展覧会等、国内外で領域を横断する多彩な活動を展開。また、地域に根ざしたワークショップやアートプロジェクトも継続的に発信。現在、岐阜県美術館および熊本市現代美術館の館長。東京藝術大学長として「芸術未来研究場」を設立し、企業や自治体と連携して「アートは生きる力」を研究・実践し続けている。
- 登壇者
- リサ・フィリップス
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- ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート 館長
- 1999年よりニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アートの館長を務め、国際的に評価される主要な文化拠点へと成長させる。2007年にSAANAが設計したニュー・ミュージアム初の専用建物を完成させ、ニューヨーク、バワリー地区の変革を促した。都市の未来を文化の力で探る国際プログラム「IDEAS CITY」や、アート、テクノロジー、デザインのための美術館主導のインキュベーター「NEW INC」を共同設立。ニューヨークマガジン「トップ40ニューヨーカー」や、クレインズの「年間トップ100ビジネスウーマン」などに選ばれている。©Christine Rivera
- 登壇者
- 妹島 和世
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- 東京都庭園美術館 館長
- 茨城県生まれ。1981年日本女子大学大学院家政学研究科を修了。1987年妹島和世建築設計事務所設立。1995年西沢立衛とともにSANAAを設立。2010年第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務める。現在、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学名誉教授。主な建築作品として、金沢21世紀美術館*(金沢市)、ニュー・ミュージアム(ニューヨーク・アメリカ)、ルーヴル ・ランス*(ランス・フランス)などがある。
*はSANAAとして©Kohei Omachi
セッション3
文化機構の社会参画
- 日時:11月2日(土)15:30-17:30
- 会場:ホールB5
多文化共生は現代社会において世界が共通して取り組む社会課題であり、東京も例外ではない。このような社会課題の解決に文化機構が関わる場合、アートに対する新しい認識と価値を持って地域と繋がることから始まるのではないか。東京という大都市圏において、文化機構がどのように多文化共生の課題に取り組むべきか。大都市圏における美術館や芸術祭などで実践経験のあるゲストを迎え、東京がこれから取るべきアクションについて議論を深める。
- 登壇者
- 片岡 真実
-
- 森美術館 館長
- ニッセイ基礎研究所都市開発部、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館、2020年より現職。2023年4月より国立アートリサーチセンター長を兼務。
ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)インターナショナル・キュレーター(2007~2009年)、第9回光州ビエンナーレ共同芸術監督(2012年)、第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督(2018年)、国際芸術祭「あいち2022」芸術監督(2022年)。CIMAM(国際美術館会議)では2014~2022年に理事(2020~2022年に会長)を歴任。©Ito Akinori
- 登壇者
- ジュン・ヤップ
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- シンガポール美術館 学芸部長
- シンガポール美術館にて企画制作とプログラムを監督。これまでにグッゲンハイムUBS MAPキュレーター、シンガポール現代美術館副館長、シンガポール美術館キュレーターを歴任。シンガポール・ビエンナーレ2022では共同芸術監督を監督を務めた。主な展覧会に「Natasha, The Gift」、「ナム・ジュン・パイク-The Future is Now」、「No Country」などがあり、東南アジアの現代アートの実践と言説に深い見識がある。
- 登壇者
- コズミン・コスティナシュ
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- 世界文化の家 シニアキュレーター
- 第24回シドニー・ビエンナーレ 共同芸術監督
- 1982年、ルーマニア生まれ。2022年より現職。2024年には第24回シドニー・ビエンナーレの共同芸術監督を務める。Para Site(香港)ディレクター(2011-22年)、カトマンズ・トリエンナーレ2077芸術監督(2022年)、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ・ルーマニア館共同キュレーター(2022年)、あいちトリエンナーレ学芸顧問(2022年)、ダカール・ビエンナーレキュレーター(2018年)、 ダッカ・アートサミット ゲストキュレーター(2018年)、第10回上海ビエンナーレ 共同キュレーター(2014年)、ユトレヒト BAKキュレーター(2008-11年)、第1回ウラル工業ビエンナーレ 共同キュレーター(2010年)、ドクメンタ12誌編集者(2005-07年)などを歴任。
セッション4
「分かり合えない」を分かち合う
- 日時:11月3日(日・祝)10:00-12:00
- 会場:ホールB5
共生社会を実現するには、他者への共感、尊厳を重んじることを前提とするとしたら、「分かり合えない」ことに絶望するのではなく、その事実を踏まえた対話から始まると考えるべきだろう。共感の前に立ちはだかるさまざまな壁を乗り越える術を獲得するには何が必要となるのか。ケア、表現、社会実践の文脈を持つ登壇者が個人的経験を交えて対話し、共感のあり方を追求する。
- 登壇者
- 志村 季世恵
-
- バースセラピスト
- 一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ 代表理事
- ターミナルケアやグリーフケアを中心に活動。対話をしながら当事者や家族の願いを叶えるサポートを行う。いのちは死を以て終わるのではなく、次のいのちへとバトンを渡すその考えは多くの医療者から注目を浴びている。
1999年ダイアログ・イン・ザ・ダークと出会い、以降、対話の重要性をエンターティメントを通して伝えている。著書 『エールは消えない』(婦人之友社)『いのちのバトン』(講談社文庫)『さよならの先』(講談社文庫)など多数。
- 登壇者
- アンドレアス・ハイネッケ
-
- ダイアログ・ソーシャル・エンタープライズ 創設者
- 1988年、フランクフルト盲人財団の副理事長に就任し「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を導入。1990年に視覚障害者向けの電子新聞を作成し、2000年にはハンブルクに初の常設展を開設。ヨーロッパ初のアショカ・フェロー、シュワブ財団のグローバル・フェローに選出された。欧州ビジネススクールでソーシャル・ビジネスを教え、ダイアログ・ソーシャル・エンタープライズを通じてコミュニケーションの障壁を打ち破るイノベーターとして活動を続けている。
- 登壇者
- マンディ・ハーヴェイ
-
- シンガーソングライター
- 絶対音感という才能を持って生まれ、大学で声楽科を専攻し歌手を目指していた19歳の時、残存聴力を失う。大学を中退し音楽を諦める寸前に陥るも、父親に励まされて再び音楽に向き合う。ジャズピアニストのマーク・スロニカーと出会い、ステージや作曲、アルバムのリリースなどの活動を始める。2017年には「アメリカズ・ゴット・タレント」に参加しサイモン・コーウェルの「ゴールデン・ブザー」を獲得。自身の音楽やノー・バリアーズUSAなどの慈善団体を通じて定期的に地域貢献活動も行う
クロージングセッション
文化と居場所 居場所をつくるためのアクション
- 日時:11月3日(日・祝)15:30-17:30
- 会場:ホールB5
4つのセッションを受けて、居場所をつくるために求められるネクストビジョンを語る。
- 登壇者
- 梶谷 真司
-
- 東京大学大学院総合文化研究科 教授
- 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) センター長
- 京都大学大学院人間・環境学研究科修了。専門は哲学、医療史、比較文化。近年は学校や企業、地域コミュニティなどで「共に考える場」をつくる活動を行い、さまざまな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学」という新しいジャンルを追求している。近著に『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎)、『問うとはどういうことか 人間的に生きるための思考のレッスン』(大和書房)がある。
- 登壇者
- デイビッド・デ・キーザー
-
- クランドゥイユ ディレクター
- ろう者の文化や権利を積極的に擁護し、ろう文化への理解と認識を広めるため精力的に活動。その独自の視点や革新的なアプローチが世界で認められている。彼は映像の世界で育ち、2005年以降、フランス5チャンネルの番組「L’Oeil et la Main」でドキュメンタリー映画を制作。2000年には主にDVDドキュメンタリー映画と劇場録音を配布するNGO会社CinéSourdsを設立。2003年、ろうアーティストの創作と表現の場をつくることを目的とした芸術祭「Clin d’Oeil(クランドゥイユ)」を創設。現在コンサルタントとして、世界中でろう文化と手話の発展を促進している。
- 登壇者
- モーウェナ・コレット
-
- コンサルタント
- ディレクター
- 芸術団体と共に戦略、調査、トレーニングを通じて改善と変革を促進するコンサルティングを運営。障害者としての自身の経験と、政府、非営利団体、大学などのセクターで培ったリーダーシップや実務経験を活かし活動している。また、シドニーフェスティバルやシドニーフリンジのアクセシビリティパネルの議長を務め、オーストラリア芸術評議会のディレクターなどを歴任。アメリカとイギリスで障害者を積極的に参加させるインクルーシブなプログラムについて研究し、チャーチルフェローシップを修了。
- 登壇者
- 熊倉 純子
-
- 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科長、教授
- パリ第十大学卒、慶應義塾大学大学院修了(美学・美術史)。(社)企業メセナ協議会を経て、東京藝術大学教授。アートマネジメントの専門人材を育成し、「取手アートプロジェクト」(茨城県)、「アートアクセスあだち―音まち千住の縁」(東京都)など、地域型アートプロジェクトに学生たちと携わりながら、アートと市民社会の関係を模索し、文化政策を提案する。東京都芸術文化評議会文化都市政策部会委員、文化庁文化審議会文化政策部会委員などを歴任。監修書に『アートプロジェクト─芸術と共創する社会』、共編書に『社会とアートのえんむすび1996-2000─つなぎ手たちの実践』(共編)、共著に『「地元」の文化力―地域の未来のつくりかた』など。
事例発表
- 日時:11月2日(土)13:00ー15:00
- 会場:ホールB5
事例発表1
演劇で問う社会課題-「Both Sides, Now」での取組から
シンガポールの社会参画型の劇団「ドラマボックス」における、社会課題に向き合う方法の一つとしての演劇実践例を通し、過去10年にわたって展開されてきた、人々に尊厳ある最期と死について考える機会を提供するプロジェクト「Both Sides, Now」に焦点を当てる。
- 登壇者
- コク・ヘン・ルン
-
- ドラマボックス創設者
- 芸術監督
- シンガポールの社会参画型の劇団「ドラマボックス」における、社会課題に向き合う方法の一つとしての演劇実践例を通し、過去10年にわたって展開されてきた、人々に尊厳ある最期と死について考える機会を提供するプロジェクト「Both Sides, Now」に焦点を当てる。
ろう者のオンガクを追求する
映画『LISTEN リッスン』以降、日本手話とろう者の身体を中軸とした、ろうコミュニティから生まれる「オンガク」の探究過程について発表する。
- 登壇者
- 牧原 依里
-
- 一般社団法人日本ろう芸術協会 代表理事
- 映画作家
- アーティスト
- ろう者の「音楽」をテーマにしたアート・ドキュメンタリー映画『LISTEN リッスン(2016)』(雫境と共同監督)など、視覚と手話を中心とする自分/ろうコミュニティの身体感覚を通した創発を実践し続けている。東京国際ろう映画祭ディレクターやデフアクターズ・コース企画運営のほか、手話を拠点とするワーキング・プレイス「5005」の共同運営など、ろう・難聴当事者の人材育成とろう者と聴者が集う場のコミュニティづくりに努めている。©Hiroshi Ikeda
居場所を創る建築家
地域共生文化拠点「春日台センターセンター」の事例を中心に、地域に根ざす生活、その営みや関係性を丁寧に汲み取る建築の視点から、文化の成り立ちを考える。
- 登壇者
- 金野 千恵
-
- 建築家
- 1981年神奈川県生まれ。2005年東京工業大学工学部建築学科卒業。大学院在学中の2005-06年スイス連邦工科大学奨学生。2011年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2011年KONNOを設立ののち、2015年よりteco代表。2021年より京都工芸繊維大学 特任准教授。主な作品に、住宅『向陽ロッジアハウス』(平成24年東京建築士会住宅建築賞金賞他)、地域共生文化拠点『春日台センターセンター』(2023年日本建築学会賞作品他)など。©yasuyuki Takagi
- 日時:11月3日(日・祝)13:00ー15:00
- 会場:ホールB5
事例発表2
KINOミーティングの手法
日本に住む海外にもルーツを持つ人たちが協働するプロジェクト「KINOミーティング」で制作された「ニュー・トーキョー・ツアー」を上映し、監督とプロジェクト主宰者がその手法がもたらす可能性について語る。
- 登壇者
- 阿部 航太
-
- デザイナー
- 文化人類学専攻
- 1986年生まれ。ロンドン芸術大学卒業後、廣村デザイン事務所を経て、2018年よりデザイン・文化人類学を指針に活動を開始。2018年から19年にかけてブラジル・サンパウロにて、現地のストリートカルチャーに関するリサーチを行い、映画『街は誰のもの?』を発表。近年は、異なる背景をもつ他者との協働に可能性を見出し、多様なルーツをもつ人たちとの映画制作プロジェクト「KINOミーティング」を展開している。
- 登壇者
- テイ・ウシン
-
- 翻訳者
- 映画監督
- 台湾・台北生まれ。台北芸術大学映画学科卒業後、2016年に来日。都市や異文化をテーマにした演劇、映像などのアートプロジェクトに携わっている。近年は演技ワークショップやアート作品のリサーチ翻訳・制作通訳を行う。映画『ニュー・トーキョー・ツアー』(2022年)監督。
分科会
分科会1
演劇でつなぐ多文化社会
- 日時:11月2日(土)10:00-11:30
- 会場:会議室G502
ドイツのマンハイム国立劇場で実践している、多様な背景をもつ市民が参加するプロジェクトの事例や手法を学ぶ。言語や文化の違いにおける相互理解やサポートの促進をテーマに、海外にルーツをもつ人たちが参加しやすい演劇創作の環境構築について、東京芸術劇場での取組なども踏まえて議論する。
- 登壇者
- 田室 寿見子
-
- 東京芸術劇場 事業企画課 人材育成担当係長
- 人種・言語・ジャンルの枠組みを超えた創作を目指し、2004 年に演劇ユニットSinTitulo を設立、日本外国特派員協会を拠点に上演。2008年に可児市文化創造センターで在住外国人と日本人の交流を目指した多文化共生プロジェクトを立ち上げ、5年に渡って当事者の声からドキュメンタリー演劇を創作。2014 年より東京芸術劇場において人材育成・教育普及を担当、多文化社会を拓く演劇ワークショップの開発と人材育成プログラムを展開。
- 登壇者
- ベアタ・アンナ・シュムッツ
-
- マンハイム国立劇場市民アンサンブル部門 芸術監督
- ポーランド・グダニスク生まれ。2005年よりハイデルベルクの文化教育分野で働き、自治体の芸術・演劇部門の責任者を務めた後、2016年よりカールスルーエ・バーデン州立劇場フォルクステアター部門の責任者。2018年より現職。また、2005年に演劇・パフォーマンスグループRAMPIGを設立し、演出家・ドラマトゥルクとして活動する他、2016年よりドラマトゥルギー協会理事©Felix Gruenschloss
- モデレーター
- ミン・ジンキョン
-
- 北海道教育大学岩見沢校芸術文化政策研究室 准教授
- 韓国・ソウル生まれ。韓国国立オペラ団で演出助手・制作に携わり、2000年に文化庁海外招聘研修生として来日。その後、東京藝術大学大学院に入学し応用音楽学専攻修了(学術博士)。2006年から北海道教育大学に在職。近年は多文化共生、地域アーツカウンシル、芸術家福祉政策などさまざまな領域に研究を広げている。日本文化政策学会、日本音楽芸術マネジメント学会理事。令和2年度アート選奨(北海道文化財団)受賞。
分科会2
劇場体験を拡張させる鑑賞・参画サポートのデザイン
- 日時:11月2日(土)12:30-14:00
- 会場:会議室G502
東京文化会館社会共生プロジェクトチームや「リラックス・パフォーマンス」での鑑賞サポートの取組、彩の国さいたま芸術劇場の「カンパニー・グランデ」における参画サポートの実践など、アクセシビリティ向上に奮闘する劇場の実践例を紹介し、体験の拡張について考察する。
- 登壇者
- 月橋 朋子
-
- 東京文化会館 事業企画課社会共生担当係長
- 東京文化会館の社会共生プロジェクトチームのプロジェクトリーダーとして、東京文化会館のアクセシビリティ向上に取り組む。年齢や障害、社会的ハンディキャップのあるなしにかかわらず、音楽鑑賞や音楽の創造体験に参加できる機会の提供や、多様な人びとが新たな文化創造に主体的に関わることができる環境の整備を目指している。
- 登壇者
- 請川 幸子
-
- 彩の国さいたま芸術劇場事業部 参事
- 2004年より彩の国さいたま芸術劇場の主に舞踊部門にて国際的な振付家による招聘公演から地域プログラムまで幅広い事業に携わる。2016年からは同劇場が推進する高齢者のための芸術参加プログラムを担当。「世界ゴールド祭」ではプログラム・ディレクターとして各国の高齢者舞台芸術の取り組みを紹介。現在は芸術監督を補佐し「カンパニー・グランデ」をはじめとする新規プログラムの推進役として力を注いでいる。
- モデレーター
- 中村 よしき
-
- 東京文化会館事業企画課 事業係長
- 2002年から東京文化会館で様々なコンサートのプロデュースを行い、当時の館長、故・三善晃氏からプロデュース論、音楽制作に関し、多大な薫陶を受ける。東京芸術劇場に異動後、読響との事業提携、共同制作オペラ等を開始し、同シリーズのプロデューサーとして延べ14作品の制作に携わる。また、創造発信型劇場の集まりである劇場、音楽堂等連絡協議会 音楽部会長を務めるなど全国の劇場、コンサートホールの連携を促進する活動に取り組んでいる。
分科会3
アクセシビリティの向上と文化施設のみらい
- 日時:11月3日(日・祝)10:00-11:30
- 会場:会議室G502
東京都と東京都歴史文化財団の取組と日本科学未来館の実践をもとに、日本においてアクセシビリティの普及に長く関わる専門家を交え、アクセシビリティがもたらす文化の居場所としての“文化施設”のあり方を考える。
- 登壇者
- 駒井 由理子
-
- アーツカウンシル東京 事業調整担当課長
- 2024年から現職。都立文化施設全体のアクセシビリティに関する環境整備を統括。文化施設の施設管理・法人運営・事業制作業務等に2007年から携り、その中で芸術文化・文化施設にある閉鎖的な状況やあらゆる障壁の存在を痛感。「障壁とは?」「あらゆる人のものになるためには?」を施設と事業の両方で模索し始めて今年でちょうど10年目となり、目前の改善をしながら、次の時代の姿を考えていきたいと思っている。
- 登壇者
- 関根 千佳
-
- 株式会社ユーディット会長兼シニアフェロー
- 放送大学・美作大学客員教授
- 93年に日本IBM SNSセンターを開設し、障害者・高齢者のICT利用を支援。98年に創立した株式会社ユーディット(情報のUD研究所)では、多様な社員が全員テレワークで働きユニバーサルデザインを推進している。2012年より同志社大学政策学部教授(17年~23年客員教授)。著書に「ユニバーサルデザインのちから」(生産性出版)「誰でも社会へ」(岩波書店)があるが、「スローなユビキタスライフ」(地湧社)では、「在ってほしい未来」を描き出すバックキャスティングの手法で、ICTが人にそっと寄り添う小さなまちの姿を小説にしている。
http://www.udit.jp/
- 登壇者
- 佐野 広大
-
- 日本科学未来館 科学コミュニケーター
- 常設展示「ナナイロクエスト ―ロボットと生きる未来のものがたり」「ハロー!ロボット」の企画・リサーチや、「ノーベルQ」の手話映像制作ディレクションなどを担当。展示関連イベントの企画、運営、ファシリテーションも行う。また、アクセシビリティ推進プロジェクトのメンバーとして、視覚障害者向けツアーの開発・実施や障害の当事者と協働した展示開発にも従事。
分科会4
認知症と向き合うアート
- 日時:11月3日(日・祝)12:30-14:00
- 会場:会議室G502
認知症患者に向けた社会的処方箋実践のパイオニアである台湾の医師、地域で認知症を他者化しない社会のあり方を模索する社会福祉士と共に、認知症の人たちの社会参加のあり方にアートがもたらす役割について議論する。
- 登壇者
- 藤岡 勇人
-
- 東京都美術館 学芸員
- ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ修士課程修了。2018年から東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻の特任助教を務め、研究者、キュレーター、映像作家として幅広く文化事業に従事。2021年から東京都美術館のアート・コミュニケーション事業にて超高齢社会に対応したプロジェクト「Creative Ageing ずっとび」を担当。ミュージアムでの社会的処方の調査や認知症の方とその家族を対象にしたプログラムの企画などを行う。
- 登壇者
- 佐伯 賢
-
- ほうらい地域包括支援センター 社会福祉士
- 2018年より現職。認知症地域支援推進員を兼任。認知症カフェや認知症家族介護者教室、認知症家族交流会などを運営。認知症であること自体が価値になる場を実験的に作りたい、という思いから2022年度よりTURN LANDプログラムに参画。認知症と診断された人と非認知症の人が一緒に活動する機会をつくるなかで、”認知症”の人を他者化しない社会のあり方を地域の人とともに考えている。明治学院大学社会学研究科社会福祉学専攻博士前期課程在学中。
- 登壇者
- リウ・ジェンリャン
-
- 台北市立連合病院 認知症センター長、神経内科 科長
- 神経学および老年病医学の認定専門医。自律性、尊厳、尊重、生活の質を重視した統合的な認知症治療を推進するため、地域社会と協力してきた豊富な経験を持つ。近年では博物館、交響楽団、動物園、劇場、大学などと提携して社会的処方箋を積極的に提唱し、公衆衛生の自律性強化、地域社会のより強固な絆の育成、より深い社会参加を促進している。
- モデレーター
- 熊谷 香寿美
-
- 東京都美術館 学芸員、アート・コミュニケーション係長
- 一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了。2013年より東京都美術館アート・コミュニケーション事業に従事。2022年4月より現職。「BENTOおべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」(2018年)、「うえののそこから『はじまり、はじまり』荒木珠奈 展」(2023年)を担当。子供から高齢者まで様々な背景を持つ人々と協働するプロジェクト(「東京都美術館×東京藝術大学とびらプロジェクト」、「Museum Startあいうえの」、「Creative Ageing ずっとび」)を統括。
分科会5
共生する場のつくり方
- 日時:11月2日(土)10:00-11:30
- 会場:会議室G510
ダウン症のこどもたちの居場所づくりやアーティストとの協働プロジェクトの事例として横浜のStudio oowaにフォーカスする。Studio oowaの活動実践を通して見えてきた展望や、保護者やサポートする人たちとのネットワークがもたらす可能性について報告する。
- 登壇者
- 加藤 甫
-
- 写真家
- Studio oowa 主宰
- 記録、ドキュメント、アーカイブの考え方をベースに、アーティストやクリエイターとの協働プロジェクトや企業・福祉施設などの中長期プロジェクトに伴走する撮影を数多く担当している。2022年に地元横浜にStudio oowaをオープン。自身のアートプロジェクトとして知的障害のあるこどもたちとアーティストとの協働プロジェクトの企画や居場所づくりなど場のひらきかたを模索している。ダウン症の長男を含む3児の父。
- 登壇者
- 小田井 真美
-
- さっぽろ天神山アートスタジオ AIRディレクター
- 1990 年代に LOOK AT MUSIC 名義で事業企画・運営に着手。アートイベント「BONUS」を東京や大阪などで実施。以降、アーティストとの協働で多岐にわたる活動を行う。2003年以降アーティスト・イン・レジデンス(AIR)事業とその背景など、文化芸術活動の営みを支えるインフラ(機能、しくみ、状況)の開発と整備、調査研究に取り組みながら、AIR 事業設計、滞在制作及びリサーチコーディネーター、プログラムディレクターとして運営現場に携わる。
分科会6
インクルーシブな劇場をつくるためには
- 日時:11月2日(土)12:30-14:00
- 会場:会議室G510
国内外の劇場では、より多様な人たちが鑑賞・創造・発表を行うための取り組みが行われている。インクルーシブな舞台づくりの最前線で活躍する舞台技術者と、障害のある方など多様な背景をもつ人びとの表現活動に着目した研究に取り組む研究者の立場から、インクルーシブな劇場をつくるために必要なことを考える。
- 登壇者
- 長津 結一郎
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- 九州大学大学院 芸術工学研究院 准教授
- 多様な関係性が生まれる芸術の場に伴走/伴奏する研究者。専門はアーツ・マネジメント、文化政策。障害のある人など多様な背景をもつ人びとの表現活動に着目した研究を行っている。博士(学術・東京藝術大学)。著書に『舞台の上の障害者』(九州大学出版会、2018年)ほか。
- 登壇者
- 平井 徹
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- KAAT神奈川芸術劇場舞台技術課 職員
- フリーの舞台監督として活動後、1997年に入団した彩の国さいたま芸術劇場で舞台技術スタッフとして、蜷川幸雄、竹内銃一郎演出作品をはじめ、国内外の公演作品に携わるなか、ジェニー・シーレイや近藤良平とハンドルズの公演に関わる。2015年度文化庁在外研修員としてイギリスにて劇場技術、社会的包摂の研修を行う。帰国後、国際障害者交流センター(ビッグアイ)の公演に関わり社会的包摂を学ぶ。2019年に神奈川芸術劇場に入団しプロダクションマネージャーとして活動。
分科会7
ろう者による芸術の手話解説-イギリスのBSLガイドの事例に学ぶ
- 日時:11月3日(日・祝)10:00-11:30
- 会場:会議室G510
イギリスで行われている、ろう者による鑑賞ツアー「BSL(=British Sign Language)ガイド」の事例から、日本における芸術文化の享受のあり方について議論する。また、芸術領域でろう者が手話で語ること、そしてこれからどのように美術館などの文化施設と関わっていくことを理想とするか考える。
- 登壇者
- 管野 奈津美
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- Re; Signing Project代表
- ろう者による芸術表現の新たな可能性を模索し社会への問いを発信するアートプロジェクト「Re; Signing Project」を立ち上げ、2023年5月に当事者の視点から身体や感覚を捉え直す展覧会「〜 視覚で世界を捉えるひとびと」を開催。手話や視覚言語を拠点としたワーキングスペース「5005」の運営事務局・コミュニティマネージャーとして勤務するかたわら、言語や文化、身体性との関わりをテーマに作品制作に取り組む。
- 登壇者
- 南村 千里
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- パフォーマンスアーティスト
- 芸術解説者
- ロンドンを拠点に国際的に創作、パフォーマンス、指導を行う。現在はザ・プレイスのワークプレイス・アソシエイツアーティスト。ロンドンのトリニティ・ラバンでトレーニングを受け、横浜国立大学で修士号を取得。デフ・アーティストとしての独自の視点から振付やパフォーマンス制作に取り組み、音や音楽の視覚化を実験、探求している。ダンスとテクノロジーを駆使し、感覚や人との出会いの経験を共有することを目指している。
「Scored in Silence」と新作「Mark of A Woman」の海外ツアーを実施。©Mark Pickthall
分科会8
進化を続けるアクセシビリティ―アムステルダム国立美術館の事例より
- 日時:11月3日(日・祝)12:30-14:00
- 会場:会議室G510
アムステルダム国立美術館でのアクセシビリティの定義や課題に取り組む事例から、美術館に求められるアクセシビリティについて考察する。
- 登壇者
- 佐藤 麻衣子
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- アートエデュケーター
- 水戸芸術館現代美術センター 教育普及担当学芸員を経て、フリーランス。2021年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員に採択され、2021年にオランダへ渡航。オランダの美術館教育やインクルーシブアートの調査、精神科病院でのアーティスト・イン・レジデンスのプログラムコーデネートを行う。現在は、アムステルダム芸術大学ラインワルトアカデミー ミュージアム&ヘリテージスタディーズ修士課程に在籍。©スズキアサコ
- 登壇者
- カテライン・デネカンプ
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- アムステルダム国立美術館 アクセシビリティ&インクルージョンマネージャー
- 「アクセシブルな美術館はすべての人にとってもよりよい美術館である」という哲学のもと、すべての来館者と職員が平等な立場で美術館を体験し、歓迎され、認められると感じるよう、物理的、社会的、デジタルなどさまざまな面からアクセシビリティ向上に取り組む。著作「Accessibility Without Limits – Rijksmuseum」にてその歩みを記す。©Merel Brugman
- モデレーター
- 八巻 香澄
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- 東京都現代美術館 学芸員
- 東京都庭園美術館にて展覧会企画と教育普及プログラムに携わった後、2018年より現職。2020年から2022年までオランダで暮らした経験から、「あ、共感とかじゃなくて。」(2023年)、「翻訳できない わたしの言葉」(2024年)など、脱植民地主義・脱周縁化の実践としての展覧会を企画。視覚障害や聴覚障害のある人、異文化出身者への情報保障、対話のファシリテーションに関心を持つ。
コミュニケーションラボ
<ふれてみる>ってどういうこと?
- ワークショップ
- 展示
- 監修
- 茂木 一司
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- 跡見学園女子大学文学部 教授
- 専門は美術科教育、インクルーシブアート教育。1956年群馬県生まれ。筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻修了。九州芸術工科大学大学院博士後期課程芸術工学研究科情報伝達専攻修了。博士(芸術工学)。鹿児島大学教育学部講師・同助教授、群馬大学教育学部教授を経て、現職。ルドルフ・シュタイナーの芸術教育や総合的学びとしてのワークショップ研究のほか、現在はインクルーシブアート教育を理論的・実践的に研究している。
- 監修
- 大内 進
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- 星美学園短期大学日伊総合研究所 客員研究員
- 専⾨は視覚障害教育、イタリアのインクルーシブ教育など。「手と目でみる教材ライブラリー」を運営。イタリアの「アンテロス美術館」の東京分館として半立体的に翻案した絵画を紹介するなど、手でみることの可能性を追究。著書に『視覚障害のためのインクルーシブアート学習』(編著、ジアース教育新社、2021年)、訳書に『イタリアのフルインクルーシブ教育』(監修、明石書店、2022年)など。
わたしの世界・あなたの世界
- ワークショップ
- 展示
- 監修
- 和田 夏実
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- インタープリター
- 研究者
- ろう者の両親のもとで手話を第一言語として育ち、手で表現することの可能性に惹かれ、感覚がもつメディアの可能性について模索する。内言を探るカードゲーム”Qua|ia”や、触手話をヒントにしたコミュニケーションゲーム”LINKAGE”、”たっちまっち”、認知と脳に関する研究、ことばと感覚の翻訳方法を探るゲームやプロジェクトを展開。現在、ミラノ工科大学に研究員として在籍。2016年手話通訳士資格取得。
伝わる! つながる! やさしい日本語(東京都つながり創生財団)
- ワークショップ
- 展示
- 企画
- 公益財団法人東京都つながり創生財団
- 多文化共生社会づくりと共助社会づくりを通じて人と人とのつながりを創り、地域コミュニティの活性化を支援する団体として、2020年10月に東京都により設立された。多文化共生課の事業のひとつとして、やさしい日本語の普及に取り組んでいる。
国際手話版異言語脱出ゲーム「CAN YOU HELP THE ANDROID?」
- 謎解きゲーム
- 企画
- 異言語Lab.
- 異なる言語を使用する者同士から生み出されるコミュニケーションの試行錯誤、ひとつひとつの言語の魅力を探り合い、新しいコミュニケーションのカタチを提案していくラボラトリー。目の前の人に自分の想いを伝えるためにはどんな方法があるのか、言語の壁を超えるコミュニケーションのカタチを創り出す活動を展開している。主な事業として、手話を使った体験型エンターテイメント(異言語脱出ゲーム、イマーシブシアター)を企画・提供。
ショーケース
カルメン・パパリア×ココテープ
- 写真・映像作品
- 登壇者
- カルメン・パパリア
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- アーティスト
- 1981年カナダ生まれ。バンクーバーを拠点に活動。制作を通して非視覚的な社会的実践に取り組み、公共空間、芸術機関、視覚文化へのアクセスを試みる。©加藤 甫
- 協力
- ココテープ(PLAYWORKS)
- 視覚に障害がある方の歩行をガイドする、幅48mmの塩化ビニル製の屋内専用テープ。いつでもどこへでもカバンにいれて持ち歩き、必要な場所に必要な時だけ貼ることで、視覚障害者の自主的な移動をサポートする。
ドキュメンタリー「Homescape Dialogue」上映・トーク
- 上映・トーク
- 登壇者
- 坂本 裕司
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- 映像作家
- 福島県出身。日常に潜む「声」をカメラで記述し、人と人/場所の間に生まれる多様な「ホーム」の在りようを探っている。
- 登壇者
- 芹沢 高志
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- P3 art and environment 統括ディレクター
- 神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業後、株式会社リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。1989 年にP3 art and environmentを開設。1999年までは東長寺境内地下の講堂をベースに、その後は場所を特定せずに、さまざまなアート、環境関係のプロジェクトを展開している。横浜トリエンナーレ2005 キュレーター、さいたまトリエンナーレ2016ディレクター、さいたま国際芸術祭2023プロデューサー等を歴任。©忽那 光一郎
- 登壇者
- 嘉原 妙
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- アートマネージャー
- アートディレクター
- 兵庫県生まれ。京都芸術大学卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科修士課程修了。NPO法人BEPPU PROJECTにてアートプロジェクトの運営に従事。その後、アーツカウンシル東京プログラムオフィサーとして芸術文化の中間支援事業に携わり、2022年4月に独立。宮島達男「時の海 - 東北」プロジェクトディレクター、女子美術大学非常勤講師、「めとてラボ」プロジェクトマネージャーとして活動。
春風亭 昇吉 落語会
- 落語
- 登壇者
- 春風亭 昇吉
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- 落語家
- 一般社団法人落語ユニバーサルデザイン化推進協会 代表
- 史上初めての東大出身落語家。大学時代に全日本学生落語選手権・策伝大賞で優勝し、大学卒業時に日本人として唯一人東大の総長大賞に輝く。
大学卒業後、「笑点」の司会や新作落語で人気の春風亭昇太師匠に入門。厳しい修業時代を経て、2021年真打に昇進。現在は高座のみに留まらず、気象予報士やテレビ番組の司会等、広範に活動を展開している。
- 協力
- ADD.LIVE Architects + 落語空間おちば
- アドリブ・アーキテクツ:
髙橋侑臣+本多響の建築家ユニット。私たちの設計は丁寧でありながらも、柔軟で、ある意味では"即興的な"リズムを以って進められます。(「add live」-暮らしを添える)
落語空間おちば:
おちばは「都市に落語の風景を」をコンセプトに、都市空間に落ちの場をデザインするプロジェクトです。かつて道端での小噺から始まった落語の原風景を現代都市に描き出すことで、 新たな日常体験を創出します。
長谷川 さち(彫刻家)
- 石の彫刻作品
- 登壇者
- 長谷川 さち
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- 彫刻家
- 武蔵野美術大学 准教授
- 武蔵野美術大学大学院修了。2008年よりhino galleryなどで個展を開催する。主な個展として「ロビー展レイラインー長谷川さちの彫刻」(平塚市美術館)。主なグループ展として「空間に線を引く 彫刻とデッサン展」(平塚市美術館ほか巡回)、「すべてのひとに石がひつよう 目と、手でふれる世界」(ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「オムニスカルプチャーズ」(武蔵野美術大学美術館、2021年)「川と子」(ANOMALY)など。主な収蔵先:平塚市美術館、神奈川県足柄下郡。
鈴木 康広(アーティスト)
- 造形作品
- 登壇者
- 鈴木 康広
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- アーティスト
- 日常の見慣れた事象に新鮮な切り口を与える作品によって、世界の見方を問いかける活動を続ける。公園の遊具を使用した《遊具の透視法》や、瀬戸内海を開く《ファスナーの船》など、身近なものを媒介に人間の感覚や意識を無限遠へと拡張する作品を制作。主な個展に、「近所の地球」(水戸芸術館、2014年)、「始まりの庭」(箱根彫刻の森美術館、2017年)、「BLINKING」(イスラエル・Tikotin日本美術館、2021年)など。その場所にひそむ目に見えないものにかたちを与え、訪れた人との邂逅によって立ち現れる景色に着目している。©Timothée Lambrecq
伊勢 克也(アーティスト)
- 編み物作品
- 登壇者
- 伊勢 克也
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- アーティスト
- 女子美術大学短期大学部 教授
- 東京藝術大学大学院美術研究科 修了。1988年に始まった「Macaroni」シリーズでは、プリミティブでアニミスティックな形象(スポンテニアスな線と文字の中間のようなイメージ)のサンプリングから作品を制作。近年はデジタルも駆使し、平面のみならずブロンズ彫刻、造園、編み物など展開は多岐にわたり、拡張と変容を繰り返しながら継続中。個展やグループ展等で作品を発表。国内外のプロジェクトにも参加している。©Ayaka Umeda
アクセシビリティの取組
- 写真作品
- 登壇者
- 池田 晶紀
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- 写真家
- 1999年、自ら運営していた「ドラックアウトスタジオ」で発表活動を始める。2006年写真事務所「ゆかい」設立。2021年スタジオを神田ポートビルへ移転。同ビルのクリエイティブディレションを担当し、神田の社会実験及びまちづくりを計画した路上企画などもてがけている。近年の展覧会は、「池田晶紀写真展 写真でつながる街と街〜大手町・神田〜東京ビエンナーレはじまり展〜」(2023年)、2015年よりTURNにも参加。主な著書に、写真集『SAUNA』、『いなせな東京』など。
ドキュメンタリー「うたうかなた」上映・トーク
- 上映・トーク
- 登壇者
- 松井 至
- 1984年生まれ。人と世界と映像の関係を模索している。 耳の聴こえない親を持つ、聴こえる子どもたちが音のない世界と聴こえる世界のあいだで居場所を探す映画『私だけ聴こえる』が公開され、海外の映画祭や全国およそ40館のミニシアターで上映され反響を呼んだ。 令和4年度文化庁映画賞文化記録映画大賞受賞。 信陽堂よりドキュメンタリー制作記〈人に潜る〉を連載中。©亀山 亮
アクセシビリティの海外事情
- レクチャー
- 登壇者
- リンダ・ロッコ
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- キュレーター
- リサーチャー
- ロンドンを拠点とする現代アートのキュレーター兼研究者。デルフィナ財団、イインカ・ショニバレ財団、ゲーテ・インスティトゥート、ロンドン市長などの国際的な組織とともに展覧会、パブリック・コミッション、プログラム、レジデンスなどのキュレーションにおいて豊富な経験を持つ。先端技術、社会制度とネットワーク組織、代替経済学などの学際的研究を横断し、分散型のよりアクセスしやすいインフラストラクチャーの未来を提案している。
麦わら屋 with Conova
- 映像
- 登壇者
- 麦わら屋
- 2015年5月開所。障害者総合支援法におけるサービスの就労継続支援B型事業と生活介護事業を提供している。 B型事業では主に、食品加工、メダカの繁殖販売、除草作業、アート活動、内職作業と多岐にわたる作業内容を展開。生活介護事業では、地域の図書館、美術館、公園や商店街へ出かける。体を動かすことも目的にだけでなく、障がいのある人が地域の中にいることを知るきっかけ作りも目的として活動している。